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LEGO 6075 ウルフ盗賊団の隠れ家 レビュー

まるで牢屋の演出のために作り出されたような、とてもユニークな存在、ウルフ盗賊団。

そんな彼らの拠点が、「ウルフ盗賊団の隠れ家」です。

1992年に発売されたものですが、中古品がそこそこ出回っていますので、現在でも入手しやすいセットです。


まずは、建物正面から。


居館が水上にあるため、アプローチ部には橋が架けられています。この橋は、一部が跳ね橋になっています。

跳ね橋を上げると、このようになります。


居館の門には、落とし格子が設置されています。


落とし格子は、ハシゴを使用して表現しています。ハシゴは根本をクリップで留ているため、開閉が可能です。


このように開閉します。


正面の門の奥には、塔があります。


塔には、小部屋があります。ここも格子に見立てたハシゴがクリップ留めされており、手前に可動します。おそらく牢屋かな。


牢屋の格子を開けると、中にはゆうれいが。

説明書では、ここがゆうれいの設置場所となっています。牢屋で亡くなった人のゆうれいかもしれませんね。


建物の側面を見ていきます。

水面から突き出た自然の岩を利用して作った設定なのか、建物側面の岩が左右で非対称になっています。

左側面の岩の上には鋸壁を設置、側防塔のように使われています。

コーナーの城壁のプリント面も左側のみ。


一方で、右側面の岩の上には何もありません。城壁のプリントも右側にはありません。


側面の岩は、左右とも開くようになっています。




岩を開くと、床下には宝箱が。

この床板も可動します。

門の落とし格子を下ろして床板を上げると、内側から入口を強固に塞ぐことができます。

隠れ家に攻め込まれた時は、入り口を固めて時間を稼ぎ、宝物を持って水中から脱出するつもりなのかもしれません。

宝箱の中には、黄色の1×1のラウンドプレートが4コ入っています。金貨に見立てているのでしょう。

ちなみに、“ ウルフ盗賊団の隠れ家 ” が発売されたのは1992年です。

その3年前の1989年に発売された “ 南海の勇者シリーズ ” ではメッキ塗装の金貨が使われていたのですが、当時のお城シリーズにメッキ金貨はありませんでした。


建物の背面を見ていきます。

屋根の上に高々と団旗を掲げ、団の存在を主張しています。とても隠れ家とは思えません。


斜め後ろから。バランスのいいスタイルです。



塔の背面、上下のコーナー城壁の繋ぎ目部分に隙間があります。



構造的には、普通にファセットを二段にして組めます。そうすれば隙間もできず、見た目も良いように思うのですが。
ちなみに、ファセットは下の写真のパーツです。



パーツ原価などの制約があるのかな。だとしたら、原価を抑えるための工夫かもしれませんね。

ミニフィグを見ていきます。


ミニフィグは盗賊3体、ゆうれい1体の計4体です。

入り口となる橋に1体、門塔に1体、側防塔に1体、牢屋内に1体と、建物の要所にバランスよく配置できる編成です。

牢屋の住人として、クルセイダーやブラックファルコンの兵士ではなく、ゆうれいを選んだところに脇役を集めた遊び心を感じます。ゆかいな仲間たちみたい。

「ウルフ盗賊団の隠れ家」、楽しいセットだと思います。


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