とある岩山の奥深くに、一頭の火竜が棲んでいました。
この火竜は、会いに来た者に “ 竜の加護 ” を与えてくれるという言い伝えがありました。
その言い伝えを信じて、ひとりの兵士が火竜のもとにやって来ました。
火竜:「よく来たな人間よ。竜の加護が欲しいのならば、その理由を聞かせてもらおう」
兵士:「オイラ、LEGOキャッスルのおっちょこちょい系ミニフィグなんですけど、本当は強くてカッコいいミニフィグになりたいんです!」
火竜:「うむ、わかった。それでは竜の加護を授けよう」
兵士:「やった!これでオイラもその他大勢のミニフィグから、人気ミニフィグの仲間入りだ!」
火竜:「まずは目を閉じて、心を静かに保ち、強い力をイメージするのだ」
兵士:「わかりました!」
兵士:(ドキドキするなあ。ミニフィグシリーズ20の中世の騎士みたいにかっこよくなりたいなあ)
兵士:(でも、シリーズ15の怖がらせナイトも強そうでいいなあ)
兵士:(いやいや、やっぱりシリーズ9のヒーローナイトかなあ)
火竜:「さあ、湧き上がるイメージを解き放つのだ」
兵士:「わかりました!」
ボウン!(変身)
兵士:「こ、この姿は!?」
火竜:「それこそが、竜の加護を受けし者の姿!おぬしは今、ミニフィグシリーズ18のドラゴン男となったのだ!」
兵士:「いや、これじゃない。これはイヤだー!」
火竜:「え?」
兵士:「こんなコスプレ姿では、LEGOキャッスルで使ってもらえませんよ!」
火竜:「いや、しかし。竜ならLEGOキャッスルにもいるでないか。色違いで三種類も。赤いのと黒いのと緑のが」
兵士:「オイラ、これならその他大勢のミニフィグでいいです。元に戻してください」
火竜:「そ、そうか。わかった」
ボウン!(元に戻る)
兵士:「ああ、よかった。元に戻った!」
兵士:「オイラ、目が覚めました。自分は自分、人を羨んでも仕方がない、そのことを教えてくれたんですね。オイラ、これからがんばります。どうもありがとう、さよなら!」
火竜:「うむ、気をつけてな」
火竜:(ドラゴン男、すごくいいと思うのだが…。あれはカッコ悪いのだろうか…)
これ以降、火竜はやって来た人に加護を与えることを嫌がるようになったのだとか…。
おしまい